• HOME  
  • > ブログ一覧
  • > 「やる気」のある部下は安心?!管理職に気にしてほしい「やる気」の落とし穴

「やる気」のある部下は安心?!管理職に気にしてほしい「やる気」の落とし穴

update : 2025.6.4

「やる気」のある部下は管理職には頼もしい存在といえるでしょう。「やる気」を見せられると、いろいろ教えてあげたい、こんな経験ができる仕事にトライさせてあげたいなど、部下の成長を願ってあれこれ考えてしまうのは当然のことだといえます。しかし、注意したいのは、部下の「やる気」に目を奪われすぎないことです。ここでは「やる気」のある部下の育成における落とし穴について、「やる気」のある部下の特徴と見逃してはいけないサインについて説明します。

 

「やる気」のある部下の育成に落とし穴がある理由

「無気力」「指示待ち」のような部下を成長させることは、管理職の大きな悩みといえるでしょう。一方で「やる気」のある部下は、管理職が指示したことはもちろん、自分からも積極的に業務をしようとするため、管理職にとっては、部下の成長が楽しみであり、育成の悩みはほとんどないと思っているかもしれません。しかし、「やる気」にだけ注目をしてしまうと思わぬ落とし穴に気がつかず、部下の成長を妨げてしまう可能性があります。

その主要な要因が「キャパオーバー」です。中堅社員など、業務に慣れ、仕事の実績がある部下であれば、これまでやっていた業務だけでなく新しく担当する業務であっても、どれくらいの業務量になるか、ある程度の想定ができるでしょう。キャパオーバーになりそうと考えた時は、自分から今回は対応が難しいなどと言ってくれるかもしれません。心配しなくてはいけないのが、入社から数年までの新人、若手社員です。中堅社員であっても転職や部署異動で、その部署の業務に慣れていない部下は当てはまるかもしれません。新しい環境に早く慣れようと頑張る気持ちが「やる気」となって現れます。管理職も「やる気」に応えようと依頼する業務がいつの間にか増えてしまうこともあるでしょう。しかし、慣れない業務は、部下本人が思っている以上に、ちょっとしたことでつまずいたり、遠回りしないとできなかったりと大きな負担がかかっている可能性があります。「やる気」があればあるほど、その負担やキャパオーバーに本人が気づかず、気がついた時には追い込まれて疲弊していたということがあり得るのです。その時に管理職が初めて部下の異変に気がついたのでは、遅いといえるでしょう。これが「やる気」だけを見ていては、思わぬ落とし穴がある理由です。

 

管理職が「落とし穴」を気にしなくてはいけない部下の3つの特徴

部下の性格、特性はそれぞれ異なるため、「やる気のある部下」=「落とし穴を気にしなくてはいけない部下」とはなりません。「落とし穴」を気にしなくてはならない部下の特徴について考えていきましょう。

特徴1:好奇心が旺盛

「好奇心」はいろんなことにチャレンジしたいという気持ちにつながるため、管理職にとって部下が好奇心旺盛であることは喜ばしいことです。ただ、好奇心が旺盛すぎると、自分の業務以外にも興味を持ってしまう可能性があります。他の業務について話している声が聞こえるとついつい聞いてしまう、話に入ってしまうのです。このこと自体は決して悪いことではありませんが、「自分の業務がしっかりとやれている」という前提があってのことです。自分の業務が手一杯の状況で、これをしていては自分の業務の進行を妨げることになり、それが積み重なると業務が回らなくなる可能性がでてきます。

特徴2:責任感が強い

責任感が強いことは、業務を依頼する管理職にとっては安心できる部下の特性といえるでしょう。でも、なんでも自分でやらないと気が済まない、あれもこれも自分の責任範囲だと思い込んでしまうほどの責任感は、自分を追い詰めてしまう要因となります。責任感があることはすばらしいことですが、責任感が強すぎると自分のスキル、経験以上のことまで背負いこんでしまう可能性があるため、注意したい特徴だといえます。

特徴3:人に迷惑をかけることを極端に恐れる

責任感にもつながりますが、「人に迷惑をかけたくない」「自分が足を引っ張るのは嫌だ」と、人への迷惑を極端に恐れる部下にも注意が必要です。SOSを出すこと=人に迷惑をかけるという構図が頭の中に出来上がってしまうと、自分ではどうすることもできないことであっても、迷惑をかけられないから何とかしなくてはと頑張りすぎてしまう可能性があるからです。頑張りすぎは、疲弊につながり、業務進行、部下の成長の妨げにつながることはいうまでもありません。

 

管理職が見逃してはいけない部下からのサイン

「やる気」に加え、先述のような特性を持つ部下であれば、管理職へ相談、SOSの発信が難しいことは想像に難くないでしょう。そのため、管理職が普段から「やる気」のある部下の状況を把握し、頑張りすぎる前にSTOPをかけることが必要です。部下が頑張りすぎている際、どんなサインを出しているのでしょうか。管理職が気にしたい部下のサインについて考えていきましょう。

サイン1:顔つきが険しくなる

本人が気づいていなくても、気持ちに余裕がなくなると笑顔が減るだけでなく、顔つきが険しくなるものです。笑顔でパソコンに向かって業務をすることはまずないため、表情の変化を読み取ることは難しいかもしれません。しかし、いつもより険しい顔で業務をしていることが多いなと感じたら、サインかもしれないと思うようにしましょう。

サイン2.「大丈夫です」が増える

いくら「やる気」のある部下であっても、管理職が業務の状況把握をまるっきりしないということはなく、状況はどうかと声をかけることはあるでしょう。部下がその質問に対して、状況を詳しく説明しているうちはいいのですが、「大丈夫です」の返答だけで終わることが増えたら、これもサインといえます。状況を説明する余裕がない、自分でも説明できない状況になっている、大丈夫だと自分に言い聞かせている、など様々な理由で「大丈夫です」の簡単な返答になっている可能性があります。「大丈夫です」が増えたと思ったら、サインかもしれないと思うようにしましょう。

サイン3.質問が減ってくる

やる気があり、好奇心旺盛な部下であれば、「それはどういう意味ですか」「この次は何をしますか」「こんなやり方を考えてみましたがどうでしょうか」など、管理職や先輩社員へ質問をすることが多いでしょう。管理職は、質問が減ってきたのは部下が業務を理解し始めて、質問する内容がなくなったと解釈するかもしれません。もちろん、そのような場合もないとはいえません。一方で、余裕がなくなって質問もできなくなっている可能性もあります。質問が減ってきたなと感じたら、サイン1,2があったかも考え、余裕がなくなっている可能性についても検討してみることをお勧めします。

 

部下の「やる気」を保ち、部下育成を楽しもう

部下の「やる気」は大事です。この「やる気」を部下の成長につなげることが管理職の重要な役割です。せっかくの「やる気」がマイナスの結果につながらないように、管理職は部下の性格や特性を理解し、またSOSのサインを見逃さないようにしましょう。部下の「やる気」を保つことで、教えたいこと、経験させたいことを常に考えられる楽しい部下育成をしていきましょう。

 

グローネス・コンサルティングでは25年以上の研修の実績があります。管理職向け研修、リーダー研修、新人研修など多くの研修プログラムを提供しています。各社に合わせたカスタマイズ研修の経験も豊富です。部下育成や管理職としての役割などにお悩みの際はお気軽にお問い合わせください。