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Z世代は個性重視!管理職はどんな点を注視して育成すべきかを解説

update : 2024.3.6

Z世代は個性を大切にするため、一人ひとりにあった業務指導やキャリアプランが大切であることは、このブログでも何度かお伝えしてきました。読まれた管理職の中には、「個性を重視する」ことはわかるが、実際に何をすればいいのか具体的に知りたいと思う人もいるのではないでしょうか。

ここでは、「Z世代を育成するには?知っておきたい管理職とZ世代のギャップ」のブログで取り上げた「管理者が新入社員に今後期待している能力・スキル」のうち、管理職が上位に挙げた能力・スキル「1位 業務上必要な専門知識・技術」「2位 主体性」「3位 コミュニケーション力」について、Z世代の部下の何を把握する必要があるのか、また伸ばすために必要なことは何なのかについて説明します。

 

業務上必要な専門知識・技術

管理職として「業務上必要な専門知識・技術」を身につけてほしいというのは当然のことでしょう。「新入社員が強化したい能力・スキル」でも2位に入っています。管理職は、この能力・スキルは、Z世代の部下の業務状況を見ていれば把握できるので、特に注意してみる点はないと思っているかもしれません。確かにそれで把握できることが多いのも事実でしょう。

ただ観察しているだけではわからないこともあります。定期的に業務についてZ世代の部下と話をする機会を設けてみてはいかがでしょう。一見、業務をきちんと進めているようでも、もしかしたら先輩社員の指示の通り進めているだけで、知識や技術が十分に身についていないかもしれません。管理職と一緒に業務を進めている場合は状況が把握しやすいかもしれませんが、多くの業務は先輩社員と進めているため、離れたところからは見えないこともあるでしょう。直接Z世代の部下と話をする、一緒に働いている先輩社員から情報を得ることで、各Z世代の部下に専門知識・技術がどの程度身についているのかを確認しましょう。

またZ世代の部下と話をする中で、どのような知識・技術に興味があり、モチベーションが上がるのはどのようなことなのかも一緒に理解してくといいでしょう。身につけた知識や技術も個人差があるように、興味やモチベーションにも個人差があります。現状の知識・技術のレベルを正確に把握すること、業務上の興味やモチベーションがどこにあるかを理解することは、業務に必要な知識・技術においてZ世代の部下を理解するために必要なポイントです。

業務上必要な専門知識・技術を伸ばしていくためには

業務上必要な最低限の知識や技術を身につけることは必須です。それ以上の知識や技術を伸ばしていくためには、Z世代の部下が興味のあることから対応させ身につけてもらうというのが回答と言えるでしょう。しかし、これを実現するには管理職一人の力では難しいと言えます。先述したようにすべての業務を管理職と一緒にやっているわけではないためです。まず、この業務についてZ世代の部下に任せてみて、その結果を共有してほしいなど、一緒に業務にあたっている先輩社員を巻き込むとよいでしょう。もちろん、一番近くでZ世代の部下を見ている先輩社員の意見も取り入れていきましょう。先輩社員も管理職と情報共有しながら後輩の指導に当たることで、後輩の育成への精神的負担が軽減でき、育っていく後輩を見て自信を持つことができるでしょう。

Z世代の部下の業務上に必要な専門知識や技術を伸ばしていくためには、管理者一人でどうにかしようとするのではなく、先輩社員を巻き込んでいくことがポイントです。

 

主体性

「管理者が新入社員に今後期待している能力・スキル」で2番目に多いのが「主体性」です。しかし、新入社員が強化したい能力・スキルの中で「主体性」は上位に入っていません。検索すれば簡単に回答が得られる、動画を見れば丁寧にやり方を教えてくれるという環境で育ったZ世代にとっては、どうすればいいのか、何が必要かなどを自分で考える機会があまりなく、自分で考える、自分から行動するということに必要性を感じていない人も多いのかもしれません。

管理職にとって、自分からやりたい仕事に手をあげてほしい、責任者のつもりで業務を動かしてほしいなどZ世代の部下に「主体性」を身につけてもらいたいというのは、当然のことでしょう。ただ、Z世代の部下が主体性を持たない、強化したいと思ってくれないと嘆く前に、本当に主体性がないのかを確認する必要があります。一見、主体性を持っていないと思われても、本当は主体性が発揮できない理由があるかもしれません。

主体性が発揮できない理由の例
・自分はまだその立場にないと思っている
入社して数年は先輩社員やチームから教えてもらうことが多く、知識や経験が少ないと感じているZ世代の部下も多いでしょう。そのため、自分から提案する、自分が先頭だってプロジェクトを引っ張っていく、プレゼンするなどということに遠慮している可能性があります。
・業務の全体像を把握していない
自分が担当している業務については一生懸命にやっていても、業務の目的、全体像などが把握できておらず、提案したくても何をしていいのかわからないという場合です。管理職や先輩社員の指示は理解していても、それが全体の「点」でしかなく、自分の業務が全体のどの位置なのかがわからなければ、主体的に動くのは難しいと言えるでしょう。管理職や先輩社員も忙しい中で指示を出していくため、Z世代の部下が指示通りの業務をこなせていると、全体像がわかっていると思い込んでいる可能性もあり、Z世代の部下が全体像の分からないまま業務をしていることに気がつかないこともあるかもしれません。
・失敗を恐れている
Z世代の特性で「失敗を過度に恐れる」傾向があることは、このブログでも何度も紹介してきました。主体性をもって何かに取り組めば、失敗する可能性もあります。失敗して怒られるくらいなら、提案したいことがあったとしても何も言わずに、また行動を起こさずにいようというのも納得できる理由です。

つまり、行動だけをみて「主体性がない」と理解するのではなく、その裏に主体性は持っていても発揮できない理由がないかを見ていくことがZ世代の部下を理解するためのポイントです。

主体性を伸ばしていくためには

多くのZ世代では、最初から主体性の発揮を期待するのは難しいと考えておくといいでしょう。それは主体性がもともとないという場合ももちろんありますが、主体性が発揮できない理由があるとも考えられるからです。先述の業務についてZ世代の部下や先輩社員と話をする際に、先輩たちに遠慮して提案できないということはないか、全体像がわかっているのか、失敗を恐れていないかについても、確認するようにしましょう。

主体性が発揮できない理由がわかったら、それを取り除くことが大切です。先輩に遠慮している、自信がないというのが理由であれば、管理職や先輩が提案やプレゼンの機会をつくり、自信を持たせ、遠慮する気持ちを減らしていくようにしましょう。業務の全体像については、管理職も先輩社員も気にするようにして、業務を進めていく中で適宜、Z世代の部下に説明する機会を設けるようにするのが大切です。また、失敗を恐れて主体性を発揮できないということが理由であるとわかったら、失敗しても大丈夫である雰囲気作りがチーム内できちんとできているのか見直してみましょう。

もともと主体性がない人に主体性を持たせるのは難しいかもしれません。ですが、説明してきたように主体性を発揮したくてもできない理由があるZ世代の部下も多くいるはずです。Z世代が主体性を発揮できない理由を把握し、その理由を取り除くための対応をしていくこと、それが主体性を伸ばすポイントです。

 

コミュニケーション力

コミュニケーション力は、「管理者の新入社員に期待したい能力・スキル」では3位、新入社員が強化したい能力・スキルでは1位でした。このようにコミュケーション力は管理者からも新入社員からも重視されている能力・スキルです。しかし、一言でコミュニケーション力といっても状況によって求められるスキルが異なります。

求められるコミュニケーションのスキルが異なる例
・同僚・先輩とのコミュニケーション
業務の進めやすさ、情報共有のしやすさが求められます。
・管理職(上司)とのコミュニケーション
状況を端的にまとめ報告する力が求められます。
・お客様、社内外でのプレゼン
人にわかりやすく、重要なことをきちんと伝える力が求められます。

このように状況に応じて求められるコミュニケーションのスキルが異なるため、各Z世代の部下のコミュニケーション力のうち、どんなスキルに長けていて、どんなスキルは能力アップが必要かを確認しながら、一人ひとりの能力を見ていく必要があります。
例えば、自分(管理職)と話すときは、緊張気味で要領の得ない話し方をしていても、同僚と話しているときはイキイキとしていて、情報収集能力が高い部下や、自分の意見をまとめて報告するのは得意だけど、同僚との会話では相手に合わせているだけで自分からの情報発信は得意ではなさそうな部下など、人によって強みを持つスキルが異なります。管理職は、コミュニケーション力について、単純に「ある」「ない」という括りでZ世代の部下を評価しないようにすること、それがポイントです。

コミュニケーション力を伸ばすためには

先述したようにコミュニケーション力と言っても状況に応じて求められるスキルが異なります。まず、業務状況に応じてZ世代の部下に求められるスキルを考え、伸ばすスキルの優先順位を決めましょう。まだチームに馴染んでいない、同僚や先輩との話に入れないというのであれば、業務に限らず日常会話でもチームメンバーから積極的に話しかけてもらうようにしましょう。話に入る機会を増やすことで、チームの人に慣れてもらうことが大切です。

報告が苦手である場合は、考えのまとめ方、報告する順序などをレクチャーするのがいいでしょう。お客様対応や社内外のプレゼンのスキルを伸ばすには、社内でのロープレから始まり、実際にお客様対応やプレゼンの機会を少しずつ増やすことで、場数を踏み、自信につなげていくことが大切です。

コミュニケーション力を伸ばすためには、各Z世代の部下に必要なスキルを見極め、そのスキルが伸ばせるようなレクチャーや機会を与えていくことがポイントです。

 

個性に合わせた指導によって、Z世代の部下の能力・スキルを高めよう

個性を把握する、個性に合わせた指導をすることは簡単なことではありません。しかし、個性という大きな括りだからこそ、わかりにくいだけで、一つひとつの能力・スキルに対して、どんなことに注視すればいいのか、それを伸ばすにはどうすればいいのかを考えていけば、難しさも軽減するでしょう。今回は「業務上必要な専門知識・技術」「主体性」「コミュニケーション力」を例にして説明しましたが、他の能力・スキルについても同じように、細分化する、その能力が発揮できない理由を考えてみるなど工夫することで、業務指導やキャリアプラン作成のために必要な各Z世代の個性を理解しやすくなるのではないでしょうか。

初めから個性をすべて理解しようとするのではなく、自分のやりやすいところから始め、指導やキャリアプラン作成に役立てていきましょう。

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