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部下のモチベーションを向上させたい!低下させる管理職の言動を半面教師にしてみよう

update : 2025.5.7

部下のモチベーションを向上させ、積極的に業務を行い、結果を出してもらいたい。多くの管理職はこのような思いで部下指導をしているのではないでしょうか。モチベーションは、部下自身がもつ向上心や学習意欲の影響も大きいといえる一方で、管理職のちょっとした言動で部下のモチベーションが左右されることも事実です。では、どうすれば部下のモチベーションを高めることが出来るのでしょうか。ここでは、部下のモチベーションを低下させる管理職の言動に対して、なぜ部下のモチベーション低下につながるのかを考えることで、部下のモチベーションを向上させるポイントを探っていきます。

 

部下のモチベーションを低下させる管理職の主な3つの言動

部下のモチベーションに影響を与える管理職の言動は多くあるでしょう。その中でも、部下のモチベーション低下につながる可能性が高い3つの言動について、その言動が部下のモチベーション低下につながる理由について考えていきましょう。

言動1.指示が細か過ぎる

業務の依頼時に指示を詳細に伝えることです。詳細な指示をしてどこが悪いのか、と疑問に思われる管理職もあるかもしれません。もちろん詳細な指示自体は悪いことではありません。まだ業務に慣れていない、詳細な指示がないと何をしていいのかわからないような新入社員や、若手社員でも右も左もわからないような初めて挑戦する業務を任された場合など詳細な指示をありがたいと思うかもしれません。

一方で、自分で業務を進められる人にとってはどうでしょう。口頭、あるいはメールで、詳細な指示や注意をされると、自分は信用されていないのか、これまでの業務を見てもらえていなかったのかという悲しさを感じてしまうかもしれません。なぜなら部下にとって、詳細な指示や注意=自分の業務が信用されていない、管理職にとっては任せるのが不安だという意味に取れるからです。自分の業務に対して、管理職はそんなに不安を感じているのかと思うと、自分がこれまで業務で出してきた成果も含め存在価値を認められていない気がして、やりきれなくなります。このような状況ではモチベーションの低下は避けられないといえるでしょう。

部下が業務を進めやすいようにと部下を思って詳細な指示をだしている、と信じている管理職にとっては、部下の業務を信じていないからではない、そんなつもりはない、部下の解釈が間違っていると思うかもしれません。でも、指示を出す前に、指示を出す部下について再度考えてみましょう。詳細な指示を求めている部下なのでしょうか、詳細な指示がなくても業務を進められる部下なのでしょうか、しっかりと見極めることが必要です。依頼する業務自体についても、詳細な指示をしないと進められないような内容なのかを考えたうえで、どのような指示の出し方をするのがいいか決めることが大切です。

言動2.業務を丸投げし、フォローしない

部下に業務を任せるだけで、フォローがないことです。部下を信用して業務を任せること自体はいいことです。信用されて嬉しくない部下はいないでしょう。しかし、それはどんな場合にも当てはまるのでしょうか。例えば、新規のプロジェクトのように、チームとしても会社としても新しい挑戦となるような業務の場合、任せられても何をしていいのかわからない部下もいることでしょう。管理職の中にはそれも「部下の成長のためだから」という考えの人もいるかもしれません。一方、部下にとってはどうでしょう。何もわからないまま「任せるよ」の一言で放り出されたら、不安しかないかもしれません。不安の中でモチベーションを持つことは、かなり厳しいこと言えます。「任せる」の中に、この業務を進めるためのアドバイスがあったり、何かあれば相談してほしいという言葉があったり、時々状況の確認や課題はないかなど部下を気にかける言動が入っているならば、部下の不安は軽減され、業務へのやる気につながるといえるでしょう。

管理職に求められるこのような言動は新しい業務の場合だけでなく、部下がこれまで何度も経験している業務、または部下本人に経験がなくてもチーム、組織の中で経験が積まれており、誰に何を聞けば業務を進められるかがわかっている業務の場合も必要であることに注意しましょう。慣れている業務であり、信用して任せているのだから、声をかけて状況を確認したら信用していないと思われると、あえて声をかけないようにしている管理職もいるかもしれません。もちろん、慣れている業務に対して毎日のように状況を確認されたら、管理職から本当は信用されていないかもしれないと部下は感じるかもしれません。しかし、管理職に気にかけてもらうこと自体は部下の安心につながります。気にかけていることを伝える声がけはタイミングが難しいと言えますが、任せっきりで気にもされていないということはモチベーション低下につながり兼ねません。タイミングをつかみ、しっかりとフォローすることが大切なのです。

言動3.自分の考えがすべて正しいという姿勢

自分の経験や知識に自信を持っているため、自分の考えが正しいと信じ込んでいるために起きる言動です。もちろん、自分の経験や知識に自信を持っていることは大切であり、そのような管理職は魅力的であるといえます。自信がない管理職とは、部下も一緒に仕事をしたいとは思わないでしょう。しかし、自分の経験や知識に自信を持っていることと、自分の考えだけが正しいと思うことは異なります。業務において、チームメンバーそれぞれがもつ多様な考え方から新しいアイデアが生まれることも珍しくないでしょう。

管理職にとっては、経験や知識の少ない部下の意見に頼りなさを感じることもあるかもしれませんが、多様な考えを受け入れ、それを業務に生かしていくことも重要です。頼りないからといって自分の考え、意見を押し付けてしまうとどうなるでしょうか。最初は部下もそんな考えがあるんだ、勉強になるなと思ってくれるかもしれません。しかし、何度かそんなことを繰り返すうちに、部下は自分の考えを言ってもどうせ無視される、反対される、だったらもう意見をするのはやめようと考えてしまう可能性もあります。意見を言わないだけでなく、そのうち、意見をする必要がないのであれば、考えること自体やめようと思うようになるかもしれません。そうなると、自分なりの考えや工夫をすることなく、管理職の指示通りの業務をこなすだけとなってしまうことも起こり得るのです。これは部下育成を考える管理職にとって望む事態ではないでしょう。

管理職になれば、自分の経験や知識を部下に伝えていきたいという思いも強くなるかもしれません。自立して業務を行っていかれるよう部下を育成してくためには、時には自分の考えを前面に出さず、部下の意見を尊重し、積極的にアイデアを出したいと思えるようにしていくことが大切であるといえるでしょう。

 

3つの言動から見える部下のモチベーションを向上させるために必要なこと

部下のモチベーションを低下させてしまう可能性が高い管理職の3つの言動について見てきました。これらを半面教師にすると、部下のモチベーション向上につなげるために、管理職に求められることが見えてきます。それぞれの言動の反面教師で見えてきたものについて説明します。

1.業務の内容や部下の状況に合わせて指示の仕方を変える

新入社員にとって、詳細な指示を出すことは、迷わずに業務ができるという安心感、やることがわかっているからこそ業務がやり遂げられた達成感は、部下の自信やモチベーション向上につながります。一方、経験を積んだ部下にとっては、先述のように、このような詳細な指示は、信用されていないと感じさせてしまうことになりかねません。普段から部下がどのような経験や知識、スキルがあるのかを把握することで、それぞれの部下に合わせた指示をしていくことが大切です。

自分のことを理解してくれているからこそ、このような指示を管理職が出しているということがわかれば、部下の業務に対するモチベーション向上につなげることが出来るでしょう。

2.フォローを欠かさない

業務内容の大小にかかわらず、部下の業務状況の把握は管理職にとって大切な仕事です。新規のプロジェクトなど大きな業務の場合は、フォローが大事になってきます。期待しているから任せている、でも何かあればフォローするという管理職の言動によって、部下は安心できることに加え、プロジェクトを成功させようというモチベーション向上につながるでしょう。普段の業務についても、管理職の適切なタイミングでのフォローは、部下に気にかけてもらえているという安心感とを与え、また頑張りも見ていてもらえるという思いがモチベーション向上につながるといえるのです。

3.部下の意見を尊重する

管理職は部下の意見に耳を傾け、業務に取り入れられるものは積極的に反映していきましょう。もちろん知識や経験が少ない部下の意見やアイデアは、業務に反映できないことも多いかもしれません。一方で、経験や知識が十分ではないからこその思い切った発想が出てくる可能性もあります。だからこそ、部下の意見を尊重することで、部下が自分の意見を言いたいと思える場にすることが重要になってきます。自分の意見が業務に取り入れられる可能性があると思えば、普段の業務の中でも何か工夫はできないかなど積極的に考えるようになるでしょう。それが部下の業務へのモチベーション向上にもつながるのです。

 

反面教師を活かし、部下のモチベーション向上につなげよう

モチベーションを低下させてしまう管理職の3つの言動を、他人事と捉えないようにすることが大切です。なぜなら、どれも自分は部下のためを思ってやっていることであり、モチベーションを低下させようしている言動ではないためです。今回の3つの言動から反面教師で学んだことを活かすことはもちろん、部下のためと思い込んでやっていることが、実は部下のモチベーションを低下させているのではないかと、たまには疑って自分の言動を見直すことも必要といえるでしょう。

部下のモチベーションが向上すれば、業務効率の向上や成果につながります。部下のモチベーションへの影響という視点から自分の言動を見直すことで、部下のモチベーション向上につなげていきましょう。

 

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