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入社3年~5年が肝心!Z世代の定着率を高める方法について解説

update : 2023.1.11

社員の定着率を高めたいという思いは多くの企業が持っているのではないでしょうか。ここ数年はZ世代が新入社員として入ってきていることから、Z世代の定着率を高めることへの関心が高まっているといえるでしょう。ここでは、実際、Z世代の離職率はどうなっているのかを確認するとともに、定着率を高める方法について説明します。

入社3年目までの離職率

2022年10月28日に厚生労働省が「新規学卒就職者の離職状況(平成31年3月卒業者)を公表します」というリリースを配信しました。このリリースによると就職後3年以内の離職率は、新規大学卒就職者で31.5%(前年度と比較して0.3ポイント上昇)となっています。

内訳をみると1年目で11.8%、2年目で9.7%、3年目で10.0%と、中学卒、高校卒、短大卒と比較し、1年目とそれ以降の差がほとんどないことがわかります。つまり、大学卒については、1年目を乗り切れば離職への心配が軽減するとはいえないということです。

厚生労働省ホームページより

 

企業規模別にみると規模が小さいほど離職率が高いことがわかります。そして微妙な差ではありますが、規模が大きな企業では、平成30年卒に比較し平成31年卒の離職率が高くなっていることから、今後も離職率が高まる可能性があるといえます。

 

3年目を過ぎれば離職率は落ち着く?

入社3年目までで3分の1近い人が離職、特に30人未満規模の企業では約半分が離職しているという事実は驚くべきことでしょう。しかし、3年が過ぎれば離職率は落ち着くのでしょうか。マイナビ転職が2017年に転職経験のある20~39歳の113人に対して行った「転職するならとりあえず3年働いてから」と思うかというアンケートを見てみましょう。

転職するなら「とりあえず3年働いてから」だと思うかという質問に「そう思う」と答えた人は28.3%、「どちらかと言えばそう思う」と答えた人が31.9%。合計すると60.2%と過半数を超えています。つまり、3年過ぎれば離職する心配が軽減するのではなく、企業としては入社3年後の社員についても注意が必要であるということです。

マイナビ転職「キャリペディア」

 

マイナビ転職の調査によると「とりあえず3年働く」理由は、「退職金や有給休暇など福利厚生面などのメリットがあるから」「仕事が身につくには3年かかると思うから」「ある程度の経験を積むこと、職務期間があると転職に有利だと思うから」などがあげられています。

上記の理由を考えると、3年過ぎたら定着するというのではなく、その後数年も企業は社員の定着に向けた対応を考えていく必要があるといえるでしょう。

 

定着率を高める方法

1~3年目で転職されることはもちろん企業にとって痛手ではありますが、特に3年経って仕事に慣れ、戦力になり始めた社員には辞めてもらいたくないという思いの企業は多いのではないでしょうか。そのため、1~3年目だけでなく、戦力となり始める3~5年目くらいまでの社員を定着させる方法についてみていきましょう。

ここではZ世代の特性の中の2つに注目して、定着率を高める方法について考えていきます。1つは、インターネットでわからないことは調べればよいということに慣れ、リアルに人に質問することに不慣れであり、どのように質問をしていいのかわからないという特性。そしてもう1つは自分がやらなくても、周りが決めてくれた、やってくれたという経験を持つことが多く、Z世代が持つ高い成長意識を満足するキャリアの準備を企業側に求める傾向があるという特性です。つまり、成長できないというよりは成長させてくれないと判断すれば転職を考える可能性があるということです。

それぞれの特性に対する定着率を高める方法についてみていきましょう。

管理職の指導・コミュニケーション

Z世代のリアルでの質問に慣れていないということへの対応法です。これは特に入社1~3年目の仕事に慣れていないZ世代部下に必要な対応かもしれません。逆にこの対応がうまくいかないと、管理職は3年目以降もZ世代部下が自立せずにずっと同じ対応が必要となり、また3年目以降への転職にもつながるので重要な対応法です。

対応法としては、動画などによる説明に慣れているZ世代に業務等の説明をする際、管理職は自分が思っている以上に丁寧な説明、そして動画で育ったZ世代が最もわかりやすい実際にやっているところを見せるという指導が大切になります。自分からの質問に不慣れなため、管理職から業務の疑問点があるかなどの積極的な声掛けを行っていくことも忘れないようにしましょう。

また、Z世代は承認欲求も強い傾向があるため、業務に対して結果だけではなくプロセスについても、良かった点を頻繁に伝えていくことを心掛けていくことも必要な対応法です。

丁寧な指導と自分を大切にしてくれると感じられる管理職であれば、Z世代は、少なくともこの企業で自分の仕事がある、自分は求められているという認識と自分に対する自信を持つことが出来るでしょう。そして、自信がつけば積極的に業務にかかわれるようになり、Z世代の定着率を高めることにつながります。

キャリア開発

Z世代は、ネットでもおすすめが表示されるように、自分で考える前に選択肢を用意されることに慣れています。そのためキャリアについても選択肢が用意されている、自分を企業が成長させてくれることを期待する可能性が高いといえます。また、個性を重視するZ世代は、入社何年目であればこの選択肢などのように、一括りに考えられることを嫌うということも管理職としては知っておく必要があるでしょう。

対応法としては、管理職はZ世代部下の各個人の個性や希望をきちんと把握すること、そして、自社で用意できるキャリアの選択肢を示していくことです。1~2年目はまず自分の業務をきちんとこなせるようになることが中心で、なかなかキャリア開発まで考えられないかもしれませんが、管理職としては先ほどの指導やコミュニケーションを通じて、入社した時から各部下の個性や希望の把握を心掛けるようにしたいものです。

また、3~5年目のZ世代部下はある程度の経験を積んできます。このころになると、部下の強み・これまでの経験を振り返り、今後のキャリア開発・成長課題を考えていくことが管理職の役割となります。管理職や専門職などキャリアの選択肢を提示しながら、Z世代部下の希望に合わせた経験をさせていくのもこの時期で大事なことといえるでしょう。ただ、ここで注意しなければならいのは、Z世代は失敗を過度に恐れるため、失敗しても影響が少ない、管理職含め部署でフォローするので安心できる、Z世代部下にとってささやかな挑戦になる仕事をさせていくことです。急に大きな仕事を任せることで、過度のプレッシャーを与えないようにしましょう。

このように自社でもキャリアが高められること、そして、それが自分の望むものであることがわかれば、定着率を高めることにつながるでしょう。

 

Z世代の定着率を高めて、自社でイキイキと働いてもらおう

これからは自社におけるZ世代社員の比率が高まってきます。Z世代の特性を理解し、Z世代の定着率を高めることが大切です。そしてZ世代に自社でイキイキと働いてもらうことで、自社の発展につなげていきましょう。

 

グローネス・コンサルティングではZ世代と共に働くことに焦点を絞った「With Z研修」を行っています。今回のテーマのようにZ世代の定着率を高め、自社でイキイキと働いてもらいたいと思っても何をどうしていいかわかないなど、Z世代の育成にお悩みの場合はお気軽にこちらからご相談ください。With Z研修の概要はこちらかご覧いただけます。With Z研修の中でも管理職を対象にした「お膳立て」マネジメント研修はこちらからご覧いただけます。