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組織の雰囲気作りはオフラインで!管理職ができることは最初の一手のみ?

update : 2024.10.2

組織の雰囲気作りに悩んでいる管理職も多いでしょう。そもそも雰囲気作りとはどんなことなのでしょう。オンライン会議・セミナーでももちろん雰囲気作りは大切ですが、組織が求める雰囲気作りをオンラインで行うのはなかなか難しいといえます。ここでは、雰囲気とは何なのか、オンライン会議・セミナーで求められる雰囲気作りと、組織で求められる雰囲気作りの違い、そして組織はどのように雰囲気作りをしていくのか、雰囲気作りのために管理職ができることについて説明します。

 

雰囲気とは

「雰囲気がいい」「緊張感が漂う雰囲気」など雰囲気という言葉はよく使われます。雰囲気はその場にいる人、人達たちの感情が周りに伝わることで作り出されるものだといえます。例えば、職場で和やかに雑談をしていたところに、難しい顔をした上司が入ってきた途端に一気に緊張感が漂う雰囲気になったというようなことです。上司の難しい顔から、自分たちが怒らせるようなことをしたのか、雑談していた内容が良くなかったのか、上層部からチームについて何か言われたのかなど、上司が難しい顔をしている理由について想像を膨らませ、上司の次の態度、または発せられる言葉に対する緊張感が高まって雰囲気が変わってしまうのです。このような感情の伝達は一緒にいるからこそであり、オンラインでは感情の読み取りが難しい分、雰囲気が作りにくいといえます。また相手の感情がわからない中では、話がいい方向で進んでいるのか反対されているかなどが解釈しにくく、声のトーンなど耳に頼って感情を理解しようとするため、オフラインに比べオンラインの会議は疲れやすいのは当然のことかもしれません。

 

オンライン会議・セミナーにおける雰囲気作り

オンライン会議・セミナーにおいても雰囲気作りが絶対できないというわけではありません。「参加者に協力を依頼して頷くなどのリアクションをしてもらう」「話すときは、テンションをあげて明るく話す」「聞く場合も表情を明るくする」などにより、「いい雰囲気」の中、会議・セミナーを行うことは可能でしょう。しかし、注意したいのはオンライン会議・セミナーにおける雰囲気作りの目的は、「参加者の集中力を高める」「意見・質問をしやすくする」ことであり、会議中・セミナー中に必要な雰囲気作りであるということです。

 

組織の雰囲気作り

組織の雰囲気作りは、活発なコミュニケーション、協調性が育まれ、最終的にはチームの目標達成につなげることが目的になります。そのため、オンライン会議・セミナーと異なり、継続的な「雰囲気のいい」組織にする必要があり、一時的なの協力や話し方に対する心掛けだけでは作ることが難しいといえるのです。また、一時的な雰囲気作りを積み重ねても、オンラインでは感情が読み取りにくい環境であることには変わりはないため、オンラインだけでは組織が作りたいと願う雰囲気を作るのが難しいといえるでしょう。オフラインを活用し、時間をかけてゆっくり育んでいくことで、「雰囲気のいい」組織になっていくのです。

また、「雰囲気のいい」組織が一朝一夕ではできないのには、理由があります。まず、自分の価値観を一方的に押し付けていては、活気的で建設的なディスカッションをすることはできません。相手の価値観を受け入れるからこそ、建設的に話ができるのです。しかし、お互いの価値観を認め合うことは簡単なことではありません。そもそも、認め合うにはお互いの価値観を知る必要もあります。建設的なディスカッションが自然とできるようにするには、一緒に仕事をしていく中で、お互いを理解し、価値観を知り、認め合うという流れが必要です。それには当然時間がかかります。だからこそ、組織の雰囲気作りは難しいといえるのです。

 

組織の雰囲気作りの方法

組織の雰囲気作りは、一緒に仕事をする時間を過ごしていく中で、自然にできる場合もないとはいえません。しかし、いろんな価値観の集まりである組織で、自然発生的に「雰囲気のいい」組織ができるというのは、難しいというのが本当のところでしょう。では、どうすれば「雰囲気のいい」組織ができるのでしょうか。管理職は何をすればいいのでしょうか。「雰囲気のいい」組織はどういうふうに出来上がっていくのかを考えていきましょう。

STEP1 管理職の種まき

誰もが業務以外の話をしない。常に緊張感が漂っている。そんな組織にいては息が詰まる人もいるかもしれません。仕事ですから緊張感は大事です。でも、緊張感の中だけでは、メンバーの良さや仕事への姿勢などを気にする余裕もないかもしれません。管理職は、お互いの存在や性格、考え方を知ろうとする意識をメンバーが持つように、まずは自分からメンバーに話しかけるようにすることが大事です。緊張感をさらに増すような話題ではなく、業務以外のちょっとした雑談をすることから始めてみるのがいいでしょう。管理職がメンバーの仕事への姿勢、価値観を理解していくことを始める、つまり「雰囲気のいい」組織になるための種まきをするのです。

STEP2 メンバー同士の雑談

管理職の種まきによって、緊張感がほぐれる程度の雑談は許されることがチーム内に浸透してくると、上司を挟まないメンバー同士の雑談も始まる可能性が高まるでしょう。各メンバーの価値観が異なるとしても、すべてが違うわけではありません。雑談などを通し、共通点もあることがわかれば、認め合える可能性も高くなるといえます。また、一般的な自己紹介では見えてこない、本人も気づいていない特徴も見いだせるかもしれません。

 

STEP3 業務上での情報交換の活発化

緊張感が漂っていては、業務のことでも質問に躊躇するメンバーもいるかもしれません。メンバー同士の雑談から始まり、業務のことでも緊張せずにお互いに話ができるようになってくると、業務についての報連相が会議などの場を設けなくても、普段の会話に近い状況でお互い話すことができるようになるでしょう。それにより業務中の情報交換が活発化してきます。このことは、報連相のためだけの会議の回数を減らすことにもつながり、会議による業務時間の圧迫を低減させることもできるかもしれません。

STEP4 お互いの理解

業務上の情報交換、進捗状況が普段の会話の中でも(報連相会議以外でも)なされるようになると、お互いに業務状況、業務の進め方、業務に対する各個人のこだわりなど、少しずつかもしれませんが、お互いを理解し始めることができるでしょう。

STEP5 建設的なディスカッション

情報交換が活発化し、お互いを理解し始めると、業務でのディスカッションが建設的なものになってきます。どういう価値観、こだわりをもって業務にあたっているのかが少しでも理解できていると、あるメンバーの提案にいきなり否定的な態度をとるようなことも減ってくるでしょう。相手の言っていることを最初から否定的な見方ではなく、どういう理由でそのような提案をしてきたのかが、想像できるようになるためです。

また、お互いの理解が進むと、失敗した時に鼓舞するのと慰めるのとどちらが立ち直りやすいかというような、各メンバーの性格もわかってきて、協力の仕方もメンバーごとに適切な方法をとることができるようになるでしょう。このように建設的なディスカッション、適切な協調関係を持てるような雰囲気をもつチームは、目標達成に向けての課題も共有されやすく、チームで動きやすいといえます。

 

管理職は種まきだけして、「雰囲気のいい」組織になるのを待とう

「雰囲気のいい」組織作りの方法で見てきたように、管理職ができることは最初の種まきだけです。チームに漂っている緊張をほぐし、ちょっとした雑談ならしてもいいよ。自分がメンバーのことを理解するから、メンバーもお互いにやってみたらいいのでは?というきっかけ作りが仕事です。

組織の雰囲気は時間をかけてゆっくり育つものなので、管理職が焦って、メンバー同士が話せるように無理やり場を設けても「いい雰囲気」ができるわけではありません。管理職はただ育つのを待つ、それだけです。「待つ」という行為は難しいことですが、手を加えすぎてメンバー同士のつながりがかえって育たなくなる可能性もあります。だからこそしっかりと種まきをし、「雰囲気のいい」組織になるのを待ちましょう。

 

グローネス・コンサルティングでは、25年の研修実績があります。そして、実績・経験をもとに開発したZ世代と一緒に働く管理職向けの「お膳立て研修」を提供しています。カリキュラムには「Z世代が安心する組織作り」も入っていますので、組織の雰囲気作りにお悩みの際は、お気軽にお問い合わせください。カスタマイズの実績も多数ありますので、各社に合わせた研修も提供可能です。