Z世代をどのように育成したらいいのか悩まれている企業も多いでしょう。社内での育成はもちろん必要ですが、外部に委託する場合においてもどのような研修を選べばいいのか迷うところです。ここでは、Z世代育成に必要な外部研修について、入社からの年数ごとに紹介します。
外部研修のメリット
社員の育成は社内だけで行いたいという意向の企業もあるでしょう。一方で社内研修をするにはリソースが足りない、どのような研修をすればいいのかわからないなどの課題を抱え、外部に研修を委託している企業もあります。ここではまず、外部に研修を委託するメリットについて紹介します。
メリット1 研修の専門だからこその包括的なスキル・能力が身につく
各業界に必要な知識や経験は当然職場で教えていくことになりますが、職場で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力「社会人基礎力」など、業務上で教えるのが難しいスキル・能力もあるでしょう。それは、業務時間内で教える余裕がないという理由もありますが、教える内容がどうしても一人一人の経験の範囲内にとどまり、包括的になぜそのスキル・能力が必要で、どうしたら伸ばせるのかを教えられない可能性があるからです。
専門的な知識と豊富な研修経験をもつ外部に委託することで、各スキル・能力についてなぜそれが必要で、どうしたら伸ばせるのかを包括的に社員に教えることができ、「社会人基礎力」などの向上を目指すことができます。もちろん、教育の一部を外部に委託することで、管理職やチームの社員教育への負担の軽減にもつながります。
メリット2 研修に集中できる環境
職場ではどうしても業務が優先されるため、スキル・能力を向上させようとしても管理職、Z世代社員ともに時間的に余裕がない場合も多いでしょう。外部の研修は職場を離れて行われます。これにより業務から離れて研修に集中することができ、日々の忙しさの中では習得が難しいスキル・能力を向上させることができます。
メリット3 他部署や外部企業との交流
外部の研修は自分が持たない知見や視点に触れることができる場でもあります。研修内容自体でもそうですが、研修は自社の社員のみ対象で行われる場合は他部署の人、オープン研修の場合は他の企業の人に出会うことができます。一緒に仕事をしたことのない人たちとの同じ研修の受講、ディスカッションを通じて、新しい知見、新しい視点に触れることができ、視野を広げる機会を得ることができます。
入社からの年数ごとにZ世代に必要な研修
Z世代社員に必要な研修といっても、入社当時の新人の頃、3~5年経って先輩なる頃、5年以降リーダー的役割が求められる頃、OJTトレーナーに任命されたときでは、必要とされるスキルや能力が異なってきます。ここでは各時期に対して必要な研修について紹介します。外部に研修を委託する際に、参考にしてください。
入社当時、新人の頃の研修
最初に受ける研修は、その名の通り「新入社員研修」です。入社したての頃は、Z世代が初めて社会に出ることで一番戸惑いが大きい時です。戸惑いが大きい理由の一つは、Z世代は、親しい人達とは直接会話をする関係を持ちますが、それ以外はネットのつながりが多く、特に直接会話をするのは親や教師以外はほぼ同年代である傾向が強い世代であることです。そしてもう一つの理由が何でも人に決めてもらったことが多く、自分で考えて自分で発信することに慣れていない可能性が高いことです。
「新入社員研修」は多くの研修会社が提供していますが、研修内容に、上記のZ世代の特性に対応した、年代が違う人たちとのコミュニケーション、自分で考えることと発信の必要性の説明や大勢の前で発言する実践練習などが含まれているものを選択するといいでしょう。
入社3~5年経ち先輩になった頃の研修
Z世代は先述のように何でも人に決めてもらったことが多く、自分で考え、行動することを得意としない傾向にあります。しかし、入社して3~5年経てば指示待ちでは仕事になりませんし、後輩に指示を出す立場になるでしょう。入社3年くらいまでに、自分で考えて発信することについては少しずつ慣れてきたかもしれませんが、先輩になり指示を出す立場になると、更なる発信力が必要になってきます。
またこれまでは何か問題が起きたとき、上司や先輩が解決方法を教えてくれ、その指示に従うことが多かったかもしれませんが、この時期からは、ただ上司や先輩に相談するのではなく問題に対する自分の解決案を伝えることも必要になってきます。自分で考えることが苦手なZ世代にとっては難しいことですが、問題解決のやり方を理解することで案を出しやすくなるでしょう。
このように3年くらいまでに業務の中で培われてきたスキル・能力を先輩社員として必要なレベルにアップさせるための研修が必要となります。特にこの時期に必要な研修としては、Z世代社員の特性から特に培うことが難しく、先輩社員になったら身に着けたい「発信力」「問題解決力」と言えるでしょう。
入社5年以降に求められる研修
入社5年経てば中堅社員となり、企業としてはZ世代社員にリーダーとしての活躍を期待したくなる時期にもなります。一般的にリーダーは責任が重く大変そうというイメージがあり、Z世代の中にはリーダーになることを敬遠している人もいるでしょう。そこでリーダーとしての役割の理解やリーダーに必要な知識とスキルを整理するための研修が必要となってきます。誰でもそうですが、特にZ世代は自分にメリットがある、リーダーになることに意味があるということが腹落ちしないと積極的になりません。研修によってリーダーになることが自分にとってどういうメリットがあるのかを教えることが重要でしょう。
ただ、ここで注意したいのは研修でいくらリーダーになることのメリットを伝えたとしても、上司が楽しく働いているとZ世代社員が感じなければ、研修で教えられたメリットは机上のものと理解され腹落ちすることはないでしょう。研修受講とともに上司が楽しく働いている姿を見せることが大切です。
OJTトレーナーに任命された時
新人の指導をするOJTトレーナー。もちろん新人はチーム全体で育成していくものですが、OJTトレーナーはメインとなり新人を指導する役割を担います。そのため、先輩社員になった時に学んでおきたい、身に着けたいスキル・能力とはまた違ったものが必要になります。
OJTは業務内でやることだから特にトレーナー研修は必要ないと思っている企業もあるかもしれません。しかし、トレーナーに任命される社員のとっては、自分の業務でも精一杯なのに新人の指導までできるのか、自分のせいで新人が辞めてしまったらどうしようなどと多くの不安を抱えているものです。ましてや自分で決めたり、自分から発信することに慣れていないZ世代にとって新人の指導に対する不安はさらに大きいといえるでしょう。
OJTトレーナーに任命されたZ世代社員に必要なOJTトレーナー研修に求められることは、Z世代の特性の理解、OJTトレーナーの心構え、新人育成に対しどんなことを実践すればいいのかなどです。OJTトレーナー自身がZ世代なのだからZ世代の特性の理解は必要ないと思われるかもしれません。しかし、Z世代は個を尊重する世代です。前もって一般的なZ世代の特性を知っておくことは各新人の個性を理解するために役に立つといえるでしょう。
社内に加え、外部の研修をうまく活用してZ世代を育成しよう
今回は外部の研修のメリットや入社からの年数ごとにZ世代社員に必要な研修内容について説明してきました。外部研修のメリットがあるからといって外部に頼るだけでZ世代社員の育成がうまくいくわけではありません。5年以降の研修でも述べましたが、上司が楽しく働いていなければ、そもそも管理職になりたいとは思いません。
Z世代社員の育成において、チーム内、業務内で教えること、伝えることに加え、外部の研修をうまく活用することで、Z世代社員の育成をしていきましょう。
グローネス・コンサルティングではZ世代と共に働くことに焦点を絞った「With Z研修」を行っています。「Z世代向け新人研修」、「先輩社員になったZ世代向け研修」、「Z世代が次世代リーダーになるための研修」、「OJTトレーナー研修」をご用意しています。またZ世代育成にお悩みをお持ちの管理職向け「お膳立てマネジメント」研修もありますので、Z世代育成にお悩みの場合はお気軽にこちらからご相談ください。With Z研修の概要はこちらかご覧いただけます。