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組織のブランディング?上級管理職に求められることとは

update : 2023.11.8

前回、管理職には部下のブランディングのサポートが求められているという記事を掲載しました。(「部下のブランディングをサポート!?今求められる管理職の役割とは」)「上級」管理職に求められることとしてよく言われているのが「部門管理」から「部門経営」へのシフトです。この「部門経営」という観点からみると上級管理職は「個」から「全体」、「部分最適」から「全体最適」へ考え、行動ともに変化を求められているといえます。

そのため上級管理職になると「個」である部下のブランディングのサポートから「全体」である組織のブランディングが主軸になってくるといえるでしょう。ここでは組織のブランディングのために必要な要素とそのために行うことについて説明します。

 

一般的にブランディングに必要な要素

まずは一般的にブランディングに必要とされている要素について説明します。

1.どのようなものかが知られている

認知度といわれるものです。ただ名前を知られていることではなく、それがどのようなものなのか(会社でいえば、何をしている会社なのか)が知られていることが重要です。名前は聞いたことあるけど、何をしている会社か知らないというのでは認知されているとはいえないことに注意しましょう。

2.他者から品質が高いなどの高評価を得ている

ブランド力を高めるためには品質の高い商品・サービスを提供するなど、他者から高評価を得る必要があります。この「他者から」というのが重要です。自社がどんなに品質が良いと思っていても、品質が良いと理解されていなければ購入しようとは思われないでしょうし、また購入して品質が悪いと思われたら二度と購入することはないでしょう。そしてネットに低い評価の口コミを書かれれば、購入しようという人は減ってしまうことも起こり得ます。これはBtoCだけでなく、BtoBにも当てはまりますので、自社内での評価ではなく、「他者から」の評価が重要であることを忘れないようにしましょう。

3.多数の良いイメージを持たれている

良いイメージをたくさん持ってもらうことはブランド力を高めることにつながります。会社でいえば、商品・サービスの評価やイメージももちろんありますが、営業の人が親切だった、専門知識をもったコールセンターやサポートの人がわかりやすく説明してくれた、明るい人だった、会社の理念に共感する、社会貢献をしていてすばらしいなど接点ごとにイメージを持たれます。各接点で良いイメージを持ってもらうことが大切です。しかし、たった一つの接点でイメージが悪くなることで、ブランド全体のイメージを悪くしてしまうことがあるので、各接点で持たれるイメージについては常に気を配っていくことが必要といえるでしょう。

4.他者、およびそれに関わる人から愛着や忠誠心を持たれている

誰にでもお気に入りの商品・サービスなどがあるでしょう。気に入って使い続けていると愛着が出てきます。信用している会社なら新商品・サービスが発売された際、他社から同じような商品・サービスが発売されても、躊躇なく信用している会社の商品・サービスを選択したという経験を持つ人もいるのではないでしょうか。このように高いブランド力を持つものには、そのブランドに愛着や忠誠心を持つ人たちがいます。これは購入者、使用者側だけに限りません。そのブランドを製造・販売している側もそのブランドに愛着を持って製造・販売し続けているといえますし、会社自身に愛着を持っている人もいます。

しかし、愛着や忠誠心は簡単に芽生えるものではありません。ブランディングの要素1~3を高めていく中で、愛着や忠誠心を持つ人を増やしていくことになります。このように内部外部から愛着や忠誠心を持たれることでブランド力は高まり、結果的に会社の継続的な売上貢献につながります。

 

各要素に対して組織ブランディングで行うこととは

ブランディングに必要な各要素に対して、上級管理職はどのようなことをすれば組織のブランド力を高めていくことができるのでしょうか。ここでは、各要素に対応する上級管理職が行うことについて説明します。

1.社内外ネットワーク、広報活動

まずは「どのようなものかが知られている」です。知ってもらうためには広報活動は必須です。特に組織では業務提携やコラボレーションなど顧客以外のつながりも重要になります。そのため社内外のネットワークつくりへの注力が必要になるでしょう。どのような関係性を求めているかによって知ってもらいたい情報が異なってくる可能性もあります。組織にとって有益な社内外ネットワークを作り、組織の認知度を上げていきましょう。

2.ビジョンに即した戦略策定・実施

組織である以上、成果を出す必要があります。そしてその成果は会社が目指すもの、ビジョンに即したものでなくてはなりません。会社のビジョンとは合わないもので成果を出したとしても、他者から見れば会社のイメージとそぐわないものとして評価につながらない危険性もあります。

もちろん社内においてもビジョンにあっていないもので評価を得ることは難しいといえるでしょう。まずはビジョンにあった戦略をしっかりと策定すること、そして社内外から高評価を得られる成果を出せるよう戦略を実施することが重要です。

3.人材育成マネジメント

ブランドにとって象徴というのはとても大切なものです。上級管理職がその組織の顔になる、これは当然のことかもしれません。しかし、組織は多くのメンバーで成り立っています。各メンバーの良さが社内外に伝わることで、組織のイメージに厚みができ、良いイメージが多くなれば組織のブランド力を引き上げてくれます。

しかし、社内外に伝わるような技能や能力、人柄を持った人材は放っておいてできるものではありません。技能や能力を伸ばす、適材適所での配置など人材育成のマネジメントが必要になります。多くの部下がいれば、考え方が異なりマネジメントが難しい場合もあるかもしれません。しかし、異なる考えを逆に生かし、組織のイメージの多様性につなげていきましょう。

人材育成マネジメントは組織の成果を出すためだけでなく、組織イメージの多様性につなげることができるのです。

4.組織環境の改善

先述したように愛着や忠誠心は短期間でできるものではありません。人材育成マネジメントで部下の能力・個性を伸ばし、その能力を使ってビジョンに即した戦略の実施し成果を出す。その成果を社内外に伝えていく。これらを繰り返していくうちに、社内外での認知度、評価が上がり、多様な良い組織のイメージもついてきます。ですが、これには「組織の環境」が重要なポイントになってきます。

働きやすい、個性や能力を伸ばしやすい環境であれば、戦略の実施や人材育成もしやすくなるでしょう。組織内でも率直な意見を躊躇なく言える、お互いを尊重しあうような環境であれば、部下はのびのびとは意見を言い合うことができイノベーションが起こりやすくなるかもしれません。これは組織には喜ばしいことでしょう。また、組織内にとどまらない交流の場を部下に与えれば、自分だけでなく部下も社内外ネットワークつくりができるようになるでしょう。

このような環境改善は、この組織で働く、またこの組織と一緒に働くことに対する社内外の評価が高まり、人材育成マネジメントや戦略の実施をやりやすくなるでしょう。そして組織への愛着や忠誠心につながるといえるのです。

 

組織ブランディングで会社の価値を高めよう

上級管理職が目指すことは成果を出し、会社の価値を高めることです。ブランディングは時間のかかるものであるため、どうしても短期的な成果を目的として行動してしまうのは否めないでしょう。しかし、組織のブランディングを続けていれば、長期的に成果を出していくことができるといえます。

ぜひ組織のブランディングにチャレンジしてみてください。これまでやってきたこともブランディングという視点で見直してみると、新たな発見があるかもしれません。

 

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