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新しい管理職のカタチ?管理職に求められる3つの「かん」とは

update : 2023.9.6

ミレニアム世代、Z世代が部下になり、世代間ギャップなどから、これまで自分が管理職から受けてきた指導方法ではうまくマネジメントができないと悩んでいる管理職もいるでしょう。ここでは、これからの管理職に求められる3つの「かん」について説明します。3つの「かん」を体得して、新しい管理職のカタチを目指しましょう。

3つの「かん」とは

管理職に求められる3つの「かん」。1つめは「観察力」の「観」。2つめが対話力(感情理解力)の「感」。そして3つめが巻き込み力の「巻」です。各「かん」について説明していきます。

1つめの「かん」:観察力

同じ指導を受けても人により受け取り方は様々です。自分が上司にしてもらってよかったことも、すべての部下に効果があるとは限りません。まずは各部下の言動を「観察」し、部下を理解することから始めましょう。ただ見ているは「観察」になりません。部下を理解するための「観察力」について説明します。

ポイント1:能動的に「観察」する

受動的に視界に入っている部下の姿からでもなんらかの情報は得られるでしょう。しかし、部下を理解するためには、能動的に観察することが必要です。能動的に表情や態度を観察することで、部下の長所や短所だけでなく、部下のモチベーションはどこにあるのかなど言語化されない本意が見えてくるでしょう。また能動的に観察することで、普段との表情の違いなどがわかり、伝えてこないSOSなどの発見にもつながる可能性があります。

ポイント2:周囲との関係性も「観察」する

業務は一人で行うものばかりではありません。同僚や先輩などと一緒に行うことも多いでしょう。何かわからないことがあった場合は誰に頼っているのか、うまくコミュニケーションが取れていない相手はいないのかなど、本人を理解するうえで必要な周囲との関係性も観察することが必要です。

また関係性の「観察」は各部下だけでなく、チームの課題の発見にもつながります。チームをより良くしていくためには、どのような課題があり、どう解決すればいいのかについても考えていく、これも大切な管理職の役割です。

ポイント3:視点を変えて「観察」する

人はそれぞれ自分の視点を持っています。そのため、能動的に観察したものであっても、それはその人の「視点」で得られた情報に過ぎません。部下を理解するために、自分の視点を変えてみることもお勧めします。

一番簡単なのは身体の位置を変えることです。いつも自席から見ていた部下の姿が、別の席から見たら違って見えるかもしれません。また、誰かに部下の印象を聞いてみるのもいいでしょう。自分では知ることなかった部下の姿が見えてくる可能性があります。それにより自分にはない視点が加わり、「観察」時の新たな視点を持つことが出来るでしょう。

大切なことは観察から理解していると思っていることはあくまでも自分が持つ視点からの理解であり、視点を変えてみると得られる情報が異なることを意識しておくことです。

2つめの「かん」:対話力(感情理解力)

ただ話をするのは「対話」とはいいません。「対話」はお互いの意見や立場を理解するために行います。観察だけではわからない部下の感情を理解するために「対話力」を鍛えましょう。「対話力」を鍛えるポイントを紹介します。

ポイント1: 「対話」は傾聴から始まる

部下との話の中でついやってしまうのが、自分の考えやアドバイスをすぐに伝えてしまうことです。少しでも早く部下の悩みを解決してあげたいために行っている場合もあるでしょう。しかし、必ずしも部下の悩みを理解できているとは限りません。自分の解釈が間違っている場合もありますし、部下が悩みをきちんと話せていない可能性もあるからです。

対話は自分とは異なる他者(部下)が何を考え、感じているかを謙虚に「聴く」ことが大切です。まずは、部下がどう考え、感じているのか、教えてもらいましょう。それが、対話の始まりです。

ポイント2:「対話」により部下が考えていることを言葉にすることのサポートする

人が言葉にしていることは本人の考えや感じていることの一部である場合がほとんどです。自分の中にある思いがうまく言葉に出来なくて、苦労した経験を持つ人も多いでしょう。部下が思うように言葉にできない感情を言葉に出来るようにサポートするのも対話には必要です。「ちゃんと聞いているよ」ではなく、自分の視点から相手視点に切り替えて(相手の視点になりきって)、一緒に悩みながら言葉に出来るようにしていきましょう。

部下も管理職が寄り添って心の奥にある思いを言葉に出来るようにサポートしてくれると感じられたら、一緒に頑張れるに違いありません。

ポイント3:「対話」は相互理解であることを忘れないようにする

対話はお互いの意識のズレをすり合わせ、相互理解をすることです。自分の話やアドバイスに対して、部下はなぜそのようなことを言われているのか理解できていないかもしれません。自分の立場や考え方を伝えることで意識のズレをすり合わせていく過程があって、はじめて傾聴や部下の胸の内を言葉にするサポートができるのです。

部下を理解することを意識し過ぎて、「対話」の意味を忘れないようにしましょう。

3つめの「かん」:巻き込み力

これまで、リーダーといえば「チームの先頭をきって突き進む」というイメージも強かったかもしれません。それが出来たのはリーダーの経験や知識が部下よりも高く、部下も従ってついていくことに抵抗をさほど感じなかったという要因もあるでしょう。しかし、VUCAの時代、これまで培ってきた経験や知識で出した結論が必ずしも正しいとは言えず、リーダーはすべてを背負って先頭をきるというよりは、いろんな経験、知識をもつ部下を巻き込むほうが目的を達成できるといえるでしょう。「巻き込み力」を強化するポイントを紹介します。

ポイント1:普段の観察、対話から「巻き込む」相手を理解する

「観察」「対話」から各部下の性格、能力、どのような時にモチベーションが高まるかなどの部下についての理解を深めていると、巻き込むとしても、各部下にどのような役割を依頼すればいいかがわかります。また、部下が自分の役割を納得して、モチベーションを高く持ち業務を行ってもらうにはどのように伝えればいいのかも、相手を理解していれば困難さは軽減されるでしょう。

そして、巻き込む相手を選ぶ際は、多様性を意識することも必要です。VUCAの時代、異なる視点を持つ人たちを巻き込むことは大切なことです。同じような考え、視点を持つ人ばかりを巻き込まないように注意しましょう。

巻き込む相手を理解し、巻き込む相手の能力を生かすことで、成果を高めましょう。

ポイント2: 「巻き込む」時の主語は「自分」から「みんな」へ

「観察」や「対話」から得られるものは各部下の特性だけはありません。チームとしての課題も明らかになることが多いでしょう。課題を解決するため、またはチームの目標を達成するために、いきなり部下を巻き込もうとするよりは、まず自分から動き出しましょう。

自分は何もせずに、なぜそれをしなくてはいけないかの説明をしても、管理職が「自分が考えている課題」「自分が考える解決策」と部下に捉えられてしまう可能性が高いといえます。それで、部下を巻き込もうとしても、自分たちのメリットが感じられず協力しよう、参加しようと思う部下はいないでしょう。

まずは管理職自身が動くことによって、「自分」ではなく「みんな」あるいは「チーム」にとっての課題であり、課題解決のために行動が必要であることを、目標達成に必要なことであることを、自身の行動を通じて伝えていきましょう。各部下が「みんなの課題」「チームの課題」と認識するようになれば、巻き込まれても主体性をもって一緒に頑張ろうとしてくれるでしょう。

管理職は「みんな」「チーム」ではなく「自分」の〇〇のためという思いのまま行動していないかを意識するようにしましょう。

ポイント3:「巻き込む」には自分が本気になる

巻き込まれた人が一番迷惑なのは、巻き込んでおいて人任せにする管理職です。また、管理職が率先して行動を起こしたとしても、普段から人任せにする管理職だと思われていたら、巻き込まれてはくれないでしょう。

チームの課題解決のため、目標達成のために、まずは自分自身が本気になりましょう。本気になっていることが伝われば巻き込まれた側も一緒に頑張ろうと思うでしょう。自分から巻き込まれてくれる部下が出てくるかもしれません。

そして大事なのが、本気で居続けることです。自分が本気で居続けずに巻き込んだ人たちに本気になれとは言えません。自分が本気で居続けているのかも意識するようにしましょう。

3つの「かん」で新しいカタチの管理職を目指そう

自分は役職がついているから部下は従って当たり前、自分は部下よりも知識も経験も豊富だから自分のいう意見には部下は従うはず、自分は信頼されているから何かあれば部下のほうから伝えてくる、このような考えのままでは管理職を務めるのが厳しい時代になっています。

各部下を理解することからはじめ、各部下の悩み、チームの課題を明らかにし、課題解決に向けて、またの目標達成に向けて、まずは自分が率先して行動する。そして部下がモチベーション高く主体的に動きたくなるように、本気で取り組み続ける。これが新しい管理職のカタチです。3つの「かん」を体得して、新しい管理職のカタチを目指しましょう。

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