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Z世代に指示が伝わらない?!管理職はZ世代と価値観が異なることを理解しよう

update : 2024.2.7

同じ映画や絵画を見ても、人それぞれに解釈が異なることは、誰でも経験の中で感じていることではないでしょうか。バックグラウンドが異なれば、解釈が異なることは、ある意味当然であるといえるでしょう。しかし、仕事となると、このような解釈の違いがあることを忘れ、なんで指示が伝わらないのだろう、相手の理解力が悪いのではないかと、イライラしてしまうこともあるかもしれません。ここでは、管理職が理解すると、指示を出す際に役立つZ世代の価値観について紹介します。

 

Z世代のバックグラウンド

管理職が若手社員だった時は、与えられた仕事を一生懸命に頑張ることが当たり前。また、先輩や上司の業務の進め方を見ながら、自分もやってみて業務のやり方を身につけていくというのが一般的なことだったかもしれません。

Z世代は、ネットが当たり前にあった時代に育ってきたため、わからないことはすぐにネットで検索、さらに動画で一つ一つの作業を丁寧に見せてくれることにも慣れています。そのため、情報収集の能力に長け、効率を重視する要素も持ち合わせています。また多くの情報の中で成長してきたことから、社会情勢に触れることも多く、社会貢献に対する関心が高いことも特性といえるでしょう。

一方で、Z世代は情報が多すぎて選択が難しい時代に育ってきたともいえます。そのため、親やインフルエンサー、サイトからのお勧めなど、誰か、何かが選択したものを参考に判断する傾向もあるといえるでしょう。

このようなバックグラウンドをもつZ世代と管理職が若手社員だった時の価値観が異なるのは当然です。Z世代の部下に指示が伝わらないと嘆く前に、伝わらない理由を考え、伝え方を変えていく必要があるのではないでしょうか。バックグラウンドの違いからZ世代ではどのような価値観があるといえるのか、例で紹介します。

 

1.仕事に対する価値観

まずは仕事に対する価値観についてみていきます。Z世代が仕事で大事にしていることは「自分の存在価値」や「社会貢献」などがあげられるでしょう。個性を大事にしているZ世代は自分の存在を理解してほしいという気持ちが大きいといえます。そのため、管理職が若手社員だった時には仕事に慣れるためには必要だと、疑問も持たずに受け入れていた管理職からの指示が、Z世代にとっては「自分がやる必要がある業務なのか?自分の存在価値を考えた業務に思えない?自分はチームに必要ある?」など、様々な疑問を持ってしまう可能性があります。

また自分の仕事が社会貢献につながることを強く願っているZ世代もいるでしょう。自分に与えられた仕事が社会貢献につながっているように思えないものについても、その業務を自分がやる必要性について疑問を感じるかもしれません。

管理職が「仕事に慣れてもらうにはこの業務からやってもらおう」「会社の成長のために必要な仕事だ」と思っていても、Z世代の解釈が異なっていれば、指示を出しても思うような成果にはつながらないでしょう。Z世代に指示を出す際は、それぞれのZ世代の部下に何を期待してこの指示を出すのか、最終的にどのようなことにつながるかなどを、丁寧に説明する必要があります。最初は説明に時間をかけることに前向きになれない管理職もいるかもしれません。しかし、価値観の相違を埋め、Z世代の部下が納得して業務にあたることができれば、Z世代の業務における成果が高くなるでしょう。

 

2.成長に対する価値観

Z世代は成長に対する意欲が高いと言われています。一方で、先述したように情報があふれている中、選択肢は親やインフルエンサー、ネットなどが用意してくれたものに頼る傾向もあります。そのため「成長は誰かが機会を用意してくれるもの」「具体的な成長後のイメージ(ロールモデルなど)がほしい」と考えるのは特別不思議なこととはいえないでしょう。

管理職としては、自分からやりたいことを伝えてほしい、仕事を割り振る時は自分から手をあげてほしい、先輩の言動を参考にしてほしいと、Z世代の部下が成長するために主体的な行動をとってほしいと望むかもしれません。しかし、Z世代の価値観を知れば、それを期待するのは厳しいということが理解できるでしょう。

管理職はZ世代の部下に対し、成長の機会や選択肢を与え、〇〇ができると△△先輩のような仕事ができるなど成長イメージについても具体的に示すことが必要といえます。ただ、注意したいのはZ世代の個性です。個性によってはZ世代でも主体的に成長するための行動を起こす部下もいるでしょう。そのような成長欲求が強い部下は管理職が成長の機会を準備するのを待てないかもしれません。成長機会は与えられるものと考えるのは、あくまでもZ世代の傾向ですので、各個性や能力に応じて対応を調整していくことが大切です。

 

3.一般的な価値観

ネット検索ですぐに回答を見つける癖がついている、そして時間を無駄にしないように動画は倍速で見る、などの傾向を持つZ世代は「効率性・合理性」を重視します。一方で、怒られる経験も少なく、恥をかきたくない、目立ちたくない、失敗したくないという、何かをすることに「消極的」な側面もあります。

このようなZ世代の部下に、まずはお客様に顔と名前を憶えてもらうことから始めろ、信頼関係の構築が大事だと言っても、「商品・サービスが売れればいいのに、なんでそんな時間のかかることをするのか、効率的とは思えない」と疑問に思われてしまうかもしれません。管理職はZ世代の価値観である「効率的・合理的」が大事であることを認めたうえで、お客様との信頼関係の構築がなぜ必要なのかを説明する必要があるでしょう。

また失敗したくないと消極的なZ世代の部下については、言葉で失敗しても大丈夫と伝えるだけでなく、チームの中でそのような土壌を作ることが大切です。自分には失敗しても大丈夫と言っておきながら、先輩が失敗して管理職に怒られている姿を見たら、Z世代はますます消極的になってしまうことでしょう。もちろん、先述のようにZ世代によって個性はそれぞれのため、挑戦が大好きな部下にはどんどん挑戦させ、極度に失敗を恐れる部下にはささやかな挑戦から始めるなど、部下に合わせた挑戦を用意することが大切です。

 

Z世代の価値観を理解して、Z世代と楽しく仕事をしていこう

Z世代と管理職では価値観が異なるのは当然です。まず、それを念頭におきましょう。そして、相手の価値観を理解することで、自分の指示が伝わるように説明を加えていくなどの工夫が必要です。説明を加えるときに大事なことは最初に相手の価値観を認めることです。自分の価値観を押し付けて、自分が若手社員だった時はそんなことは考えなかったと言われては、Z世代は自分のことを理解してくれないと思い、その先は何を言っても伝わらないでしょう。相手の価値観を認め、そのうえで指示が伝わるようにしましょう。もちろん、指示が伝わっているかの確認も忘れないことはいうまでもありません。

Z世代の部下への指示がスムーズになると、Z世代も前向きに仕事ができるようになります。同じように先輩社員もZ世代の後輩に指示を出すとき工夫するようになれば、Z世代の部下もチームから必要されていると感じ、自分の存在価値を実感することでしょう。Z世代の価値観を理解し、Z世代と楽しく仕事をしていきましょう。

 

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