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Z世代を育成するには?知っておきたい管理職とZ世代のギャップ

update : 2022.7.21

Z世代との世代間ギャップなどから、どのように指導、育成したらいいのか悩まれている管理職も多いのではないでしょうか。ここでは、仕事に対する考え方や姿勢のどこに管理職とZ世代のギャップがあり、そしてそのギャップを知ったうえで管理職はZ世代をどのように指導・育成すればいいのかについて説明します。

仕事で求める能力・スキルのギャップ

Z世代が入社年齢になってきた時期である、20199月に一般社団法人日本能率協会が発表した「管理者の「新入社員育成」に対する意識アンケート」を見ていきましょう。

グラフは「管理者が新入社員に今後期待している能力・スキル」と「新入社員が今後強化したい能力・スキル」の結果です。結果から、管理職の期待度が高い能力・スキルに対して、新入社員の期待度が低いもの、つまりギャップが大きいのは「主体性」(管理職:34.5%、新入社員:14.3%)、「論理的思考力」(管理職:27.7%、新入社員:15.1%)、「交渉力」(管理職:22.8%、新入社員:13.5%)ということがわかります。

一方で新入社員の期待度が高く、管理職の期待度がそれほど高くないものは「ビジネスマナー」(管理職:7.1%、新入社員:22.1%)、「語学力」(管理職:2.4%、新入社員:14.6%)、「企画力」(管理職:7.8%、新入社員:15.4%)となっています。

上記から、新入社員は社会人としての成長について、ビジネスマナーを身に着け、専門知識を生かすことに重点を置いていることに対し、管理職は主体的に行動するための能力に注力していることがわかります。この違いは管理職が必要な能力だと考え指導していることが、Z世代にとってはあまり重要視されず、もしかしたらZ世代にとっては自分が必要と思っているスキルを身につけさせてくれないと感じてしまう可能性もあります。

新入社員が考える理想の上司とのギャップ

一般社団法人日本能率協会の「管理者の「新入社員育成」に対する意識アンケート」から、もう一つ結果を見ていきましょう。

グラフは「部下に対して管理職が普段見せている姿」と「新入社員から見た理想の上司像」の結果です。新入社員から見た理想の上司像でポイントが高く、管理職が普段見せている姿とギャップが大きかったのは「仕事について丁寧な指導をする姿」(管理職:32.0%、新入社員:44.5%)、「仕事だけでなく、プライベートも大事にする姿」(管理職:19.4%、新入社員:31.5%)、「言動が一致している姿」(管理職:12.6%、新入社員:31.5%)となっています。また、管理職とのギャップは少ないですが、新入社員が理想とする上司像で2番目に高かったのは「仕事の結果に対するねぎらい・褒め言葉を忘れない姿」でした。

一方で「部下の意見・要望を傾聴する姿」は新入社員が26.8%と決して低くはありませんが、管理職は41.3%と最も重要視している姿でした。

この結果から管理職が考える以上に「仕事に対する丁寧な指導」「ねぎらい」「プライベートの重視」、そして「言動の一致」が新入社員から管理職に求められています。「部下の意見・要望の傾聴」は仕事を任せることにより発生することが多いため、新入社員にとっては「傾聴」より先に「丁寧な指導」をしてほしいと望んでいるといえるでしょう。

効果的なZ世代の育成方法とは

これまで見てきたように管理職とZ世代の間では「仕事に求める能力・スキル」「理想の上司像」についてギャップが存在しました。そのためZ世代育成に大切なことは、まず管理職がこのギャップを受け入れることです。そしてその背景にあるZ世代の特性を理解し、以下のような育成、指導をしていきましょう。

1.仕事は丁寧に指導する

Z世代はネットが発達したこともあり、情報収集して回答を得てきた世代です。そのため、情報が少ない中で業務をすることには不安になりますし、できない可能性も高いといえます。まずは自分がやって見せるなど仕事については丁寧に指導することが大切です。これは、直接仕事を教えるOJTトレーナーにも必要なことです。管理職は新入社員の指導をするOJTトレーナーにZ世代には丁寧に仕事を教えるように指導しましょう。

2.専門性を伸ばすような成長の機会を与える

Z世代は成長を求めます。しかし、新入社員の求める能力・スキルで「主体性」が低かったように自分から成長しようというよりは成長の機会を与えられ「成長させてもらう」ことを望みます。新入社員が強化したい能力で高かった「企画力」のように専門知識を身に着け、それを発揮できる機会を与えていくことが大切です。ただし、強化したいスキルのうち「ストレス耐性」が18.5%と上位にあったことからもわかるように、ストレスに弱いこともZ世代の特性のため、成長の機会も無理なくできるように配慮することが必要でしょう。

3.安心感を与える

Z世代は安心を望みます。上司に「仕事の結果に対するねぎらい・褒め言葉を忘れない」ことを望むのも、自分の仕事に対して安心したいからであり、「上司の言動一致」を望むのは間違ったことをしたくない、失敗したくないという思いがあるからともいえます。管理職が新入社員に期待する能力・スキルで2位だった「主体性」は、失敗を恐れている状態では身につけることは難しいでしょう。そのため、失敗しても大丈夫という環境を作ることが管理職の仕事になります。失敗を恐れずに安心して仕事ができるようになれば、管理職の望む「主体性」も身についていくでしょう。

今後はZ世代の新入社員が増え、そして組織の中核をなしていきます。それにはZ世代の育成がとても重要です。上記のように管理職は従来の部下育成とは異なり、「丁寧に指導してもらえる」「成長させてもらえる」「安心させてくれる」を望むZ世代には、そうできる環境を作る「お膳立て」が必要となります。「お膳立て」をしっかりとしてZ世代がイキイキと働けるようにしましょう。

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