新人育成を任されるOJTトレーナーとなる先輩社員も、トレーナーを任せる管理職も新人が早くチームに馴染んで活躍してほしいという願いは同じです。一方、新人がZ世代になってきて、これまでのOJTのやり方ではうまくいかないのでは?という心配をしている管理職、トレーナーも多いことでしょう。ここでは、OJTの基本を押さえながら、Z世代を活かすためにはどこに注意したらいいのかについて説明します。
OJTを行う際の5つのポイント
まずはZ世代の特性を理解しましょう。(Z世代の特性については「Z世代の特性に合わせたOJTとは?」で説明しています。)OJTの基本はありますが、Z世代の特性に合わせるとポイントの中でも注意する点が出てきます。
ポイント1:丁寧に説明し、お手本を示す
トレーナーが業務内容の説明だけして、すぐに新人にやらせるというのは新人にはハードルが高いものです。これまでのOJTでもまずトレーナーがやってみるというのは大事な点でした。特にZ世代は、動画など細かい説明やお手本がすぐに手に入るのが当たり前の環境で育っています。そのため、これまで以上に一つ一つの業務に対して丁寧な説明とお手本が重要になります。
ポイント2:ささやかなことでも評価する
新人は自分がやっている業務が正しくできているかという不安が大きいものです。そのため、ささやかなことでも評価し褒めることが重要なことになります。特にZ世代は自己承認欲求が高いと言われています。トレーナーはZ世代新人が行う業務、または社内での行動に対してささやかなことでも評価し、褒めることで新人が安心して業務に携われるようにすることを心がけましょう。
ポイント3:ささやかな挑戦をさせる
新人も教えたことだけをやっているだけでは成長しません。一人で出来ることを増やしていく必要があります。その際、注意したいのはハードルが高い挑戦をさせないことです。特にZ世代は、失敗を過度に恐れる傾向があります。そのため、失敗する可能性が低い、また失敗しても影響が少ない「ささやかな」挑戦からしてもらうことがいいでしょう。
例えば、会社の説明ができるようになったら、いきなり営業先で話をさせるよりは、まずチーム内、または別の部署などトレーナー以外の人に対して、会社の説明をして自信をつけさせたあと、営業先に行って会社の説明だけやってもらうようにするなどです。
もちろんZ世代といっても新人ごとに個性が異なるため、いきなり営業先に行っても大丈夫な場合は挑戦してもいいかもしれません。その新人にとってどのようなことなら「ささやかな」挑戦になるのかをトレーナーがしっかりと判断することが大切であるといえるでしょう。
ポイント4.研修内容の微調整
OJTでどのような研修をやっていくかというのは過去のやり方などを参考に、ある程度新人が配属されるまでに決められていることが多いでしょう。その中には、会社が何をやっているのか、何を目指しているのか、部署がどのようなことをやっているのか、会社の目指すことの中で自部署の役割などの説明も入ってくるのではないでしょうか。そういった部署の中で新人に任された役割というものを伝えていくことになります。
Z世代は個性を重視します。Z世代に活躍してもらうにはその個性を理解するのも大事です。そのため、一方的に新人の役割を伝えるのではなく、OJTを行っていく中で個性を知り、会社や部署が決めた役割を一方的に伝えるのではなく、個性に合わせた役割を考え、研修内容も微調整を行っていく必要があります。
ここで重要なことは、これはOJTトレーナーだけで出来るものではないということです。管理職も一緒になってどう微調整していくのがいいのか、検討及び対応をしていくことが求められます。
ポイント5:いつも気に掛ける
最後のポイントは一番簡単そうで、実は一番難しい「いつも気に掛ける」です。OJTトレーナーも自分の仕事があり、なかなか目が届かない部分もあるかもしれませんが、新人の仕事が順調に進んでいるか、質問してこないだけで本当は悩んでいるのではないか、他のメンバーと会話ができているかなど、新人をいつも気に掛けることが大切です。
特にZ世代はインターネットですぐに回答が得られる、趣味の合う人と簡単につながる環境で育ってきたため、質問も含めて、対人コミュニケーションをとるのを苦手としている人もいるでしょう。自分からなかなか話しかけてくれない新人には、常に声をかけるなどの工夫をしましょう。
そして、これもトレーナーが一人でやることではありません。チーム全体で気を配ることでZ世代、そしてトレーナーが一人で悩まない状況を作ることが重要です。
OJTのポイントをおさえ、Z世代が活躍できるようにしよう
新人がZ世代になったからといってOJTの基本的なポイントがわかることはないでしょう。しかし、Z世代の特性を理解したうえで、見直すとポイントの中でも注意すべき点が見えてきます。
ポイントとZ世代だからこその注意すべき点をおさえることで、Z世代が活躍できる効果的なOJTにしていきましょう。
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