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Z世代をコア人材に育てたい!入社5年までにしておく3つのポイント

update : 2023.4.12

Z世代の中には中堅社員としての働きを期待したい年齢の人も増えてきました。コア人材として活躍するのに必要なスキルや能力はすぐに身につくものではありません。そのため入社5年くらいまでにその基礎固めをすることが大切であるといえるでしょう。

ここでは「自己肯定感が低い」「なんでも決めてもらうことに慣れ自分で考える、行動するのが得意なほうではない」などのZ世代の特性から、コア人材として活躍してもらうために入社5年までに会社、管理職としてやっておきたい3つのポイントについて紹介します。

 

ポイント1 自己肯定感の養成

Z世代は「自己肯定感が低い」と言われています。自己肯定感が低いと仕事に自信が持てず、自分の成長も実感しにくいでしょう。そのため、まずは自己肯定感を高めることが必要です。自己肯定感を高める3つのステップを紹介します。

ステップ1 「おだてる」のではなく「ほめる、正しく評価する」

自己肯定感が低い場合、やったことがないからやるのが怖いなど業務に対する姿勢も消極的になってしまいがちです。またほとんど叱られるという経験がないまま育ったZ世代にとって叱られることは萎縮につながりその後の行動に大きな影響を与える可能性があります。場合によってはすぐに会社を辞めてしまうかもしれません。

そのような状況のなか、管理職はZ世代部下が辞めないように、前向きに仕事をしてもらうようにZ世代部下を「おだてる」「持ち上げる」という方法をとる場合もあるかもしれません。ですが、「おだてる」「持ち上げる」は一時的に業務をしてもらうためには有効かもしれませんが、自己肯定感につながるとは言い切れないでしょう。そして何より「おだてる」「持ち上げる」というのは、管理職が「Z世代に働いてもらうために自分が我慢している」という気持ちが根底にあるため、管理職の心理的負担が大きく長く続けることが難しいといえます。

必要なのは、Z世代に業務のやり方を丁寧に教え、その後のZ世代の行動をしっかりと見る、業務を進めるうえで評価できる点があれば「ほめる」ことです。やみくもに「ほめる」のではなく、正しく、そしてどのような点がよかったのか理由もしっかりと伝えるようにすることが大切です。

ステップ2 先輩、同僚など管理職以外からも評価される場を作る

管理職に正しく評価され、ほめられたとしても、それだけで自己肯定感が高まるとは限りません。決まった人だけからの評価では自信を持つまでにつながらない可能性があるからです。そこで、先輩や同僚など管理職以外からも評価される場を作ることも必要となります。

例えば、先輩社員とチームで仕事をさせて、先輩社員からの「正しい評価」にZ世代部下が触れることができる場を作るなどです。もちろん、先輩社員には管理職から予め「正しい評価」、ほめ方を伝えておく必要があることを忘れないようにしましょう。

ステップ3 評価、成長を実感できる振り返りの機会を作る

「ほめられる」「評価される」という経験を与えることに加え、評価や成長が実感できる振り返りの機会を作ることも自己肯定感の養成につながるでしょう。定期的な面談の機会を持ち、これまでどのような点で評価されたのか、前回の面談時または数か月前などの過去と比較し、成長した点についてもZ世代部下がどのように感じているのかを確認します。もし、自己評価が低かった場合は管理職から客観的な評価、成長を伝えるのがいいでしょう。これらの繰り返しにより、自己肯定感を高める基礎を作りましょう。

 

ポイント2 発信力・行動力の養成

コア人材には、自らの意思で行動する、意見を発信することが求められます。親や学校が決める、インターネットではおすすめが掲載されるなど、自分で決める経験が少なかったZ世代にとっては、いきなり自分で決める、意見を発信すると言われても戸惑うことも多いでしょう。そのため、自己肯定感が少し高まったら、入社5年の間に発信力や行動力の基礎固めもしておきましょう。ここでは、発信力、行動力を養成する3つのステップについて紹介します。

ステップ1 発信すること、行動することへの恐怖感を取り除く

失敗を恐れる、周りの目を気にする傾向の強いZ世代にとって、自らの意思を発信すること、行動に移すことは恐怖を感じるほど大きなことかもしれません。そこで管理職がすることは、「傾聴」と「受け入れ」です。

Z世代部下が伝えていることが欲しい情報ではない場合、見当違いの場合もあるでしょう。ですが、まずは発言を促し傾聴、そして意見を受け入れることが大切です。またちょっとしたことでもZ世代部下が自ら判断して行動したということがわかった場合は、そのことについて評価しましょう。

どのような発信、行動なのかという内容より、まずは発信しても大丈夫、行動しても大丈夫という安心感をZ世代部下に与えることを優先することが大切になります。

ステップ2 Z世代部下だけでなく、他の部下に対する態度にも気を配る

Z世代の発言を傾聴し、行動を受け入れることはできたとしても、仕事ができるようになった先輩社員に対してはどうしても求めるものが多くなってしまい、Z世代部下への態度と同じようには接することが難しい管理職もいるでしょう。Z世代部下には、説明がたどたどしい場合でも時間をかけて聞こうと心がけても、先輩社員には、「そんな案では解決にならない」など傾聴や受け入れをしなくなっている場合もあるかもしれません。先輩社員に高度な提案や言動を求めるのは当然のことかもしれませんが、Z世代部下がそれを見ていたら、経歴が長くなれば自分もあのような態度をとられてしまうのかという不安を持ち、先輩社員も自分の意見はきちんと伝える前に却下されるのかという不満につながる可能性があります。

Z世代部下とまるっきり同じような態度は難しいかもしれませんが、どの部下に対しても傾聴と受け入れの姿勢をきちんと持つことが大切だといえます。管理職が率先してそれを行うことで、チーム内でもお互いに「傾聴」と「受け入れ」の姿勢が広がり、Z世代が発信、行動がしやすいチームに近づくでしょう。

ステップ3 発信や行動を後押しする

Z世代部下が自ら発信、行動をしていくことは重要です。ですが、なかなか不安が取り除けない場合、また発信、行動ができるようになっても管理職だけ、チームの一部に対してだけのように範囲がなかなか広がらない場合もあるでしょう。管理職は発信や行動の場を与え、発信力や行動力の養成を後押しすることが必要です。

Z世代は失敗を極度に恐れる傾向にあるため、発信や行動の場を与えるときには本人の負担になりすぎないこと、何かあれば管理職、先輩がフォローすることを伝え、Z世代部下の安心感を確保することに注意しましょう。

 

ポイント3 巻き込み力の養成

コア人材としてプロジェクトなどを引っ張っていくには人を巻き込んでいく力も必要です。ポイント2でもあったように誰かに決めてもらった経験が多いZ世代にとっては、誰かの指示に従うことは得意かもしれませんが、自分が主体的になり誰かを巻き込んでプロジェクトを進めるということはハードルが高いと感じる人が多いのではないでしょうか。ここでは人を巻き込んでいく力を養成するために必要な3つのステップについて紹介します。

ステップ1 人を巻き込むことの必要性を伝える

入社したての頃は管理職や先輩がフォローをしてくれることが多く、自分から人を巻き込むことを積極的にやろうと思うことは少ないでしょう。しかし、一人で完結する、または問題が解決することには限界があり、業務を進めるには自分から人を巻き込む必要性があることを伝えることが大切です。発信力や行動力は自分の意見を言えるようになるためだけではありません。発信力や行動力が身につき始めたら、人を巻き込むための発信方法はどうしたらいいのかを教えていくのがいいでしょう。

ステップ2 小さな案件を任せてみる

人を巻き込む必要性の理解促進と体験のため、まずはチーム内の1人か2人を巻き込むような案件を任せてみるといいでしょう。これまで先輩が主担当でZ世代部下が副担当であったものを逆にしてみるというのもいいかもしれません。どのような依頼を出せば先輩が動いてくれるのかを、自分が先輩から依頼されていた時のことを参考にできるからです。

失敗を恐れる傾向の強いZ世代部下にはささやかな挑戦から始めさせるのが大切です。まずは慣れた環境で人を巻き込む経験を積んでもらいましょう。

ステップ3 小さな案件→やや大きな案件へ

1人、2人を巻き込むことに慣れ始めたら、チーム内でも複数のメンバー、またはチーム外の人も巻き込む必要がある案件を担当する、リーダーにならなくても担当範囲を増やすなど、少しずつ巻き込み力をつける場を提供していきましょう。

最初の慣れた環境での巻き込みと異なり、部署や人が異なればアプローチの仕方も異なってくるでしょう。それには自分の立場だけでなく、相手の立場や考えを知る必要が出てきます。各部署、各人の立場を知るためには、普段から発信力、行動力を駆使し、立場や考えを知るための情報収集も必要となります。相手の立場や考えをしっかりと押さえたうえで、業務の依頼ができるようになれば、巻き込み力の基礎を身に着けたといえるでしょう。

 

入社5年から更なる飛躍を目指そう

Z世代部下にコア人材として活躍してもらうために、入社5年までに身に着けておきたいスキル、能力について紹介してきました。もし、入社5年までに完ぺきではなくても上記のことを経験し、身につければ、5年以降、プロジェクトリーダーなどコア人材として活躍できるZ世代も増えていくでしょう。

しかし、これらのスキルや能力は、Z世代部下をコア人材にしたいという理由で、管理職側から一方的に押し付けて習得させるものではありません。大事なのは、まずZ世代部下が会社にとって必要な人材であることを伝えること(必要とされていると思えなければ自己肯定感も高まりません)、そしてZ世代自身が考えるキャリアを優先する(拒否反応があるものを押し付けない)ことを忘れないようにしましょう。

 

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